ArcGIS Enterprise Manager を使用して、バックアップから ArcGIS Enterprise on Kubernetes 組織サイトを復元できます。 すべての構成データ、設定、サービス、およびインフラストラクチャ オブジェクトが復元されます。 登録済みデータ ストア内のデータを参照するサービスは再作成されます。
バックアップの復元方法は、障害の種類と組織サイトのアクセシビリティによって異なります。
元の組織サイトにアクセス可能な場合のバックアップの復元
組織サイトでデータ破損またはデータ損失が発生したが、アクセスは可能である場合、アンデプロイしてから再デプロイしなくてもバックアップを復元できます。 元の組織サイトはすべてのバックアップの記録を維持しており、ArcGIS Enterprise Manager を使用して、バックアップの 1 つから復元することができます。
元の組織サイトにアクセス可能な場合にバックアップを復元するには、次の手順を実行します。
- 組織の管理者として ArcGIS Enterprise Manager にサイン インします。
- [バックアップ] ボタンをクリックします。
- バックアップ ページから、復元先のバックアップを決定し、オプション ボタン ([...]) をクリックします。
- [元に戻す] をクリックします。
- バックアップの作成に使用された暗号化パス フレーズを入力します。
- [元に戻す] をクリックします。
復元操作を開始すると、操作を管理するためのジョブが作成されます。 組織サイトは、バックアップが作成された時点に復元され、復元が完了するまでアクセスできなくなります。
元の組織サイトにアクセスできない場合のバックアップの復元
まず、新しいバックアップ ストアを登録するときにラベル セレクターの一部として使用できるラベルが元の永続ボリューム (PV) に含まれていることを確認します。 また、ソースとターゲットの環境で次の設定が同一であることも確認する必要があります。
- 完全修飾ドメイン名 (FQDN) とコンテキスト パス (https://dnsalias.domain.com/context)
- レジストリのホストおよびリポジトリ (docker.io および esridocker)
- Kubernetes 名前空間 (arcgis)
- Kubernetes クラスター ドメイン (cluster.local)
- Kubernetes サービス DNS の接尾辞 (svc.cluster.local)
- FSGroup および補足グループ ID (カスタム値を使用して配置されている場合)
注意:
これらの設定は、配置時に指定しました。
ステージングの場所およびバックアップ ストアを登録していない場合は、次の手順を実行して、新しいバックアップ ストアを登録し、それを既存の PV にバインドします。
- 組織の管理者として ArcGIS Enterprise Manager にサイン インします。
- [バックアップ] ボタンをクリックします。
- バックアップ ページから、[バックアップ ストアの登録] をクリックします。
- ステージングの場所に関する次の情報を入力します。
- [サイズ (GiB)] - ステージング場所の PV のサイズを定義します。 最小サイズは 16 GiB で、各ストアのバックアップを格納するのに十分に大きなサイズである必要があります。
- [ストレージ クラス名] - ストレージ クラス名を定義します。
- バックアップ ストアに関する次の情報を入力します。
- [ストレージ タイプ] - 既存の PV にバインドするには、[静的] を選択します。 管理者は、バインドに必要なラベルが PV に含まれ、バインドできることを確認します。
- [バックアップ ストア名] - バックアップ ストアの名前を定義します。 名前に使用できるのは、小文字のアルファベット、数字、およびハイフンだけで、先頭または末尾にハイフンを使用してはいけません。
- [サイズ (GiB)] - バックアップ ストアの PV のサイズを定義します。 最小サイズは 16 GiB で、静的バインドを使用する場合は、この値が既存の PV のサイズと一致する必要があります。 この値が既存の PV のサイズよりも大きい場合、PVC は PV とバインドしません。
- [ストレージ クラス名] - ストレージ クラスは既存の PV のストレージ クラスと一致する必要があります。
- [ラベル セレクター] - 静的プロビジョニングに必要で、ラベルは既存の PV のラベルと一致する必要があります。
- [登録] をクリックします。
- ステージングの場所に関する次の情報を入力します。
注意:
ストレージ クラスが定義されていない事前作成済みの PV にバインドする場合は、ストレージ クラス名を空白のままにしてください。 クラスター内にデフォルトのストレージ クラスが構成されている場合、DefaultStorageClass アドミッション コントローラーによってデフォルトのストレージ クラスが追加され、PVC がバインドされないようにします。 この場合、管理者は PV にストレージ クラスの指定を追加するか、デフォルトのストレージ クラスの構成を削除する必要があります。ステージングの場所およびバックアップ ストアがすでに登録されている場合は、次の手順を実行します。
- 組織の管理者として ArcGIS Enterprise Manager にサイン インします。
- [バックアップ] ボタンをクリックします。
- バックアップ ページから、[バックアップ ストア] をクリックします。
- [ストアを登録] をクリックし、次の情報を入力します。
- [ストレージ タイプ] - 既存の PV にバインドするには、[静的] を選択します。 管理者は、バインドに必要なラベルが PV に含まれ、バインドできることを確認します。
- [バックアップ ストア名] - バックアップ ストアの名前を定義します。 名前に使用できるのは、小文字のアルファベット、数字、およびハイフンだけで、先頭または末尾にハイフンを使用してはいけません。
- [サイズ (GiB)] - バックアップ ストアの PV のサイズを定義します。 最小サイズは 16 GiB で、静的バインドを使用する場合は、この値が既存の PV のサイズと一致する必要があります。 この値が既存の PV のサイズよりも大きい場合、PVC は PV とバインドしません。
- [ストレージ クラス名] - ストレージ クラスは既存の PV のストレージ クラスと一致する必要があります。
- [ラベル セレクター] - 静的プロビジョニングに必要で、ラベルは既存の PV のラベルと一致する必要があります。
- [登録] をクリックします。
バックアップ ストアが登録されると、バックアップ ストア内の既存のバックアップはすべてバックアップ ページにリストされますが、復元できるのは同じリリースのバックアップのみになります。
既存の PV の静的バインド用の準備
ArcGIS Enterprise on Kubernetes をアンデプロイすると、元の PV のステータスは [リリース済み] に設定されます。 適切なラベルを追加して、PV が新しい組織サイトの PVC でバインドできるようにするには、次の手順を実行します。
- kubectl を使用して、以前のバックアップ ストアに使用された PV を特定します。
kubectl get pv
- kubectl を使用して、ラベルを PV に割り当てます。 これは、PV を新しいバックアップ ストア ポッドにバインドするために使用されます。
kubectl label pv <pv name> <key>=<value>
たとえば、"arcgis/purpose":"backups" をラベル セレクターとして使用する場合:
kubectl label pv <pv name> arcgis/purpose=backups
- PV にパッチをあてて、新しいバックアップ ストア ポッドにバインドできるようにします。
kubectl patch pv <pv name> -p '{"spec":{"claimRef": null}}'
復元操作のステータスの確認
ArcGIS Enterprise Manager からバックアップを復元する場合は、復元ページが自動的に表示され、復元操作の進行状況が表示されます。
復元前に元の組織サイトにアクセスできなかった場合、既存のユーザー セッションは無効になり、復元プロセスの残りのステップのステータスは、ArcGIS Enterprise Administrator API が利用可能になった際に表示されるようになります。
Status API にアクセスするには、次の手順を実行します。
- サイン イン ページにアクセスできるようになるまで、ArcGIS Enterprise Administrator API を定期的に確認します。
- ArcGIS Enterprise Administrator API にサイン インします。
- [システム] > [障害復旧] > [ステータスの取得] の順にクリックします。
API から復元操作の現在のステータスが返されます。 復元操作中は、このページを監視して進行状況を確認することができます。
注意:
復元操作中は、ArcGIS Enterprise Administrator API が一時的に利用できなくなります。 利用できるようになると、Status API から復元操作のステータスが返されるようになります。