ArcGIS Enterprise on Kubernetes をデプロイするときは、組織に適したアーキテクチャ プロファイルを選択します。 アーキテクチャ プロファイルは、ポッド間でのさまざまなレベルの冗長性と相互に関係する定義済みのデプロイメントプロファイルです。 選択したプロファイルによって、どのポッドが設定時に自動的に複製されるかが決まります。 一部の組織では他の組織に対する回復力と可用性のレベルを高める必要があるため、アーキテクチャ プロファイルでは、ハードウェア、冗長性、組織での用途に関する要件など、いくつかの既知の変数を柔軟に使用できるようになっています。
以下では、定義済みのアーキテクチャ プロファイルについて説明します。 最初の 2 つのプロファイルは高可用性を実現するためのもので、3 つ目のプロファイルはデプロイメントおよび非運用目的に使用されます。
アーキテクチャ プロファイル | 使用例 | ハードウェア要件 | ポッド間での定義済みの冗長性 |
---|---|---|---|
高い可用性 | ビジネス クリティカルまたはミッション クリティカルな運用環境での使用を目的としています。 このプロファイルは、重要なポッド間での冗長性の向上および拡張を含め、最高レベルの可用性を実現できるように設計されています。 | 最大値 | 最大値 |
標準の可用性 | 運用環境で、多数のポッド間での冗長性により、予期しないダウンタイムを最小限に抑える必要がある状況での使用を目的としています。 これがデフォルト プロファイルです。 | Moderate | Moderate |
開発 | テストや評価に用いられる環境など、非運用環境での使用を目的とした設計になっています。 このプロファイルは運用環境ではサポートされていません。 | 最小 | 最小 |
ArcGIS Enterprise on Kubernetes を非運用環境またはテスト環境にデプロイする場合、このデプロイオプションを使用します。 このオプションでは、必要とされるハードウェアとリソースが最小限で済みます。 運用環境へのデプロイの場合、高可用性プロファイルはどちらも、障害発生時に継続的な使用および可用性を実現しますが、高い可用性プロファイルでは、追加のハードウェアが必要です。
アーキテクチャ プロファイルごとの複製ポッド
前述のとおり、予期しない障害の発生時にワークフローを継続できるように、アーキテクチャ プロファイルごとに定義済みの複製ポッドのセットが提供されます。 以下に、各プロファイルでサポートされているワークフローの例を示します。
- 高い可用性 - 公開ツール、ストレージ、API、および Ingress コントローラー用に複製ポッドが提供されて冗長性が向上し、予期しない障害またはダウンタイムの発生時に中断のない使用をサポートします。
- 標準の可用性 - 公開ツールやその他の基本的なポッド (ストレージ、API、Ingress コントローラーなど) 用に複製ポッドが提供され、予期しない障害またはダウンタイムの発生時に継続的な使用をサポートします。
- デプロイメント - 組織の複数の公開者をサポートするために、公開ツールが複製されます。
それぞれのアーキテクチャ プロファイルごとの複製ポッドの説明を以下に示します。
複製ポッド | 高い可用性プロファイル | 標準の可用性プロファイル | デプロイメントプロファイル |
---|---|---|---|
公開ツール | 4 | 3 | 2 |
プライベート Ingress コントローラー | 3 | 2 | 2 |
Ingress コントローラー | 3 | 2 | |
Administrator API | 2 | 2 | |
Portal API | 2 | 2 | |
Services API | 2 | 2 | |
インメモリ ストア | 2 | 2 | |
オブジェクト ストア | 3 | 2 | |
キュー ストア | 2 | 2 | |
時空間およびインデックス ストア - ミックス | 3 | ||
時空間およびインデックス ストア - コーディネーター | 3 | ||
時空間およびインデックス - データ | 2 |