バックアップの復元

ArcGIS Enterprise Administrator API を使用して、バックアップから ArcGIS Enterprise on Kubernetes デプロイメントを復元できます。 すべての構成データ、設定、サービス、およびインフラストラクチャ オブジェクトが復元されます。 登録済みデータ ストア内のデータを参照するサービスは再作成されます。

バックアップの復元方法は、障害の種類とデプロイメントのアクセシビリティによって異なります。

元のデプロイメントがアクセス可能な場合のバックアップの復元

デプロイメントでデータ破損またはデータ損失が発生したが、アクセスは可能である場合、アンデプロイしてから再デプロイしなくてもバックアップを復元できます。 元のデプロイメントはすべてのバックアップの記録を維持しており、ArcGIS Enterprise Administrator API で使用できる Backups API を使用して、バックアップの 1 つから復元することができます。

元のデプロイメントにアクセス可能な場合にバックアップを復元するには、次の手順を実行します。

1. 組織の管理者として ArcGIS Enterprise Administrator API にサイン インします。
2. [システム] > [障害復旧] > [バックアップと復元] の順にクリックします。
3. [バックアップ] をクリックして、使用できるバックアップを表示します。
4. 1 つのバックアップをクリックして、[復元] をクリックします。

復元操作を開始すると、操作を管理するためのジョブが作成されます。 デプロイメントは、バックアップが作成された時点に復元されます。

元のデプロイメントにアクセスできない場合のバックアップの復元

デプロイメントに深刻な障害が発生してアクセスできなくなった場合、アンデプロイしてから再デプロイする必要があります。 バックアップ ストアを登録した際にストレージ クラスの再要求ポリシーを [維持] に設定した場合、新しいバックアップ ストアを既存の永続ボリューム (PV) にバインドしてバックアップを取得することができます。

新しいバックアップ ストアの登録と既存の PV へのバインド

まず、新しいバックアップ ストアを登録するときにラベル セレクターの一部として使用できるラベルが元の PV に含まれていることを確認します。 その後、次の手順を実行して、新しいバックアップ ストアを登録し、それを既存の PV にバインドします。

1. 組織の管理者として ArcGIS Enterprise Administrator API にサイン インします。
2. [システム] > [障害復旧] > [バックアップと復元] の順にクリックします。
3. [登録] をクリックします。
4. 次のパラメーターを設定して、ラベル セレクターを使用するバックアップ ストアを登録します。
   1. [ストア名] - 新しいバックアップ ストアの名前を指定します。
   2. [認証情報の JSON] - このパラメーターは空白のままにします。
   3. [ルート ディレクトリ] - このパラメーターは空白のままにします。
   4. [ストレージ構成の JSON] - 新しいバックアップ ストアの格納構成を指定します。

      注意:

      ストレージ構成は、既存の PV にバインドするラベル セレクターを使用する必要があります。

      たとえば、PV に "arcgis/purpose":"backups" ラベルが含まれている場合:

      { 
          "provisioningType":"STATIC",
          "storageClass":"backups",  
          "size": "16Gi", 
          "labels": { 
              "arcgis/purpose":"backups" 
          } 
      }
      

PV のステータスの設定

ArcGIS Enterprise on Kubernetes をアンデプロイした後に、元の PV のステータスが [リリース済み] に設定されている可能性がわずかにあります。 これを解決して、すべての既存のデプロイメントのバックアップを復元できるようにするには、次の手順を実行します。

1. kubectl を使用して、以前のバックアップ ストアに使用された PV を特定します。
   kubectl get pv
   

2. kubectl を使用して、ラベルを PV に割り当てます。 これは、PV を新しいバックアップ ストア ポッドにバインドするために使用されます。
   kubectl label pv <pv name> <key>=<value>
   

   たとえば、"arcgis/purpose":"backups" をラベル セレクターとして使用する場合:

   kubectl label pv <pv name> arcgis/purpose=backups
   

   元の PV のステータスが、新しいポッドがバインドできない [リリース済み] に設定されています。

3. PV にパッチをあてて、新しいバックアップ ストア ポッドにバインドできるようにします。
   kubectl patch pv <pv name> -p '{"spec":{"claimRef": null}}'
   

既存の PV を使用して新しいバックアップ ストアを登録する手順を実行できるようになりました。

バックアップの復元にかかる時間は、バックアップ内のコンテンツの量によって決まります。

復元操作のステータスの確認

進行中または最近の復元操作のステータスを確認するには、ArcGIS Enterprise Administrator API で利用できる Get Status API を使用します。

Get Status API にアクセスするには、次の手順を実行します。

1. 組織の管理者として ArcGIS Enterprise Administrator API にサイン インします。
2. [システム] > [障害復旧] > [バックアップと復元] の順にクリックします。
3. [ステータスの取得] をクリックします。

API から復元操作の現在のステータスが返されます。 復元操作中は、このページを監視して進行状況を確認することができます。

注意:

復元操作中は、ArcGIS Enterprise Administrator API が一時的に利用できなくなります。 利用できるようになると、Get Status API から復元操作のステータスが返されるようになります。