下流解析ツールでは、ホストされたデジタル標高モデル (DEM) を使用して、下流への流路を解析します。 解析目的の場合、水理情報は、標準的な水文解析モデルを使用して Esri によって事前に計算されています。
出力はホスト フィーチャ レイヤーです。
例
河川、湖沼、海、その他の水路につながっている雨水排水管が数多く存在し、雨水排水管への流入物が下流の地域で汚染物質となる可能性があります。 下流解析ツールを使用すると、どの場所から水が雨水排水管に流入したかを特定できます。
使用上の注意
下流解析には入力レイヤー、下流方向パスの設定、結果レイヤーの構成が含まれています。
入力レイヤー
[入力レイヤー] グループには [入力ポイント フィーチャ] が含まれ、各下流流路の開始位置として使用されるポイントを指定します。
下流方向パスの設定
[下流方向パスの設定] グループには次のパラメーターがあります。
- [距離の分割] では、各ラインが指定した長さになる複数のラインに流路ラインを分割します。
- [分割距離の単位] は [距離の分割] パラメーター値の距離単位です。
- [下流解析の最大距離] は返される流路の合計の長さです。
- [下流解析距離の単位] は [下流解析の最大距離] パラメーター値の距離単位です。
- [出力のクリップ先] は、ポリゴン フィーチャ レイヤーを使用して流路がクリップされるエリアです。
結果レイヤー
[結果レイヤー] グループには次のパラメーターがあります。
[出力ライン名] は、下流解析パスを表す出力ポリライン フィーチャ レイヤーの名前です。
名前は一意でなければなりません。 組織内に同じ名前のレイヤーがすでに存在する場合、ツールは失敗し、別の名前を指定するよう求められます。
- [フォルダーに保存] は、結果を保存する [マイ コンテンツ] 内のフォルダーの名前を指定します。
制限事項
このツールには次の制限が適用されます。
- 入力フィーチャはポイント フィーチャでなければなりません。
- 入力のフィーチャの上限は 1,000 です。 これより多い入力フィーチャが指定されると、ツールにエラーが表示され、実行されません。
環境
解析環境設定は、ツールの結果に影響する追加パラメーターです。 ツールの解析環境設定には、[環境設定] パラメーター グループからアクセスできます。
このツールでは次の解析環境が適用されます。
出力
ツールには次の出力があります。
下流解析ラインを含む 1 つのフィーチャ レイヤー。 ライン フィーチャ レイヤーには、ポイントと同じ属性および他の以下のフィールドが含まれています。
- PourPtID- 入力ポイント フィーチャからの一意の ID フィールド。
- Description- 解析で使用されるソース データベースの説明。 次のようなオプションがあります。
- 米国本土を表す 30m NHDPlusV2.1 から派生した US30m
- 北緯 60 度と南緯 56 度の間にある地域およびカナダとアラスカにある北緯 60 度の一部の地域を表す 90m HydroSHEDS
- Length- 解析で指定された単位でのラインの長さ。 単位が指定されていない場合は、プロフィールで指定された単位 (マイルまたはキロメートルのいずれか) が使用されます。
- DataResolution- 解析に使用されたデータ ソリューション解像度。
- From Distance- 下流流路ラインの距離における各ライン セグメントの起点。 最初の流路セグメントは起点で始まるため、各流路ラインの最初の From Distance 属性値は常にゼロに設定されます。 [距離の分割] パラメーターで値が入力されている場合のみ、このフィールドが属性テーブルに追加されます。
- To Distance- 下流流路ラインの距離における各流路セグメントの終点。 流路ラインの最後のセグメントでは、値が距離の全長と同じになります。 [距離の分割] パラメーターで値が入力されている場合のみ、このフィールドが属性テーブルに追加されます。
- Total Distance- 流路ラインの総距離。 [距離の分割] パラメーターか [下流解析の最大距離] パラメーターで値が入力されている場合のみ、このフィールドが属性テーブルに追加されます。 指定されている場合、[下流解析の最大距離] の値と等しくなります。
ライセンス要件
このツールには、次のライセンスと構成が必要です。
- Creator または GIS Professional ユーザー タイプ
- 公開者もしくは管理者ロール、またはそれと同等のカスタム ロール
リソース
詳細については、次のリソースをご参照ください。
- ArcGIS REST API の下流解析
- ArcGIS API for Python の trace-downstream
- オンライン ツールボックスの ArcGIS Pro の下流解析