ArcGIS Enterprise on Kubernetes で組織のコンテナー レジストリを使用する場合、新しいデプロイメント、アップデート、アップグレードの前に Esri コンテナー イメージを使用して準備する必要があります。 そのためには、ソフトウェアに付属するレジストリ ツールを使用して、組織のコンテナー レジストリに Esri の Docker Hub イメージをプッシュします。
注意:
下記の方法を使用するには、コンテナー イメージの転送に関与するそれぞれのクライアント ワークステーションで ArcGIS Enterprise on Kubernetes デプロイメント スクリプトをダウンロードして展開する必要があります。
レジストリ ツールの概要
ArcGIS Enterprise on Kubernetes デプロイメント パッケージには、組織のコンテナー レジストリにイメージを転送するための一連のツールが含まれます。
これらのツールは、デプロイメント パッケージを展開したディレクトリの tools/registry-tools にあり、次のツールが含まれています。
- image-download.sh - すべての ArcGIS Enterprise on Kubernetes Docker イメージを指定の Docker レジストリまたはリポジトリからローカル フォルダーに .tar.gz アーカイブとしてダウンロードします。 このツールでは docker save コマンドを使用してアーカイブを作成します。
- image-upload.sh - image-download.sh によってダウンロードされたイメージを指定のレジストリにアップロードします。 このツールでは docker load コマンドを使用してアーカイブを展開します。
- image-transfer.sh - イメージを 2 つのレジストリ間で直接転送します。 クライアント ワークステーションが両方のレジストリにアクセスできる場合、これを使用すると、image-download.sh や image-upload.sh を使用するよりも高速になります。
- create-offline-manifest.sh - 管理 API を使用してバージョン マニフェストをインポートします。 この操作により、arcgis-enterprise.properties に定義された外部マニフェスト URL がオーバーライドされ、オフライン ユーザーがアップデートとアップグレードにアクセスできるようになります。
詳細については、registry-tools フォルダー内の Readme.md をご参照ください。
注意:
イメージを組織のレジストリに転送するときは、同じバージョンのデプロイメント スクリプトを使用することをお勧めします。 アップグレードの準備を行うには、最新のイメージを取得する新しいバージョンのデプロイメント スクリプトをダウンロードします。
クライアント コンピューターが Docker Hub と組織のレジストリにアクセスできる場合のレジストリの準備
クライアント コンピューターが Docker Hub と組織のレジストリにアクセスできる場合は、image-transfer.sh スクリプトを使用して、新しいデプロイメント、アップデート、アップグレード向けにレジストリを準備できます。
イメージを転送するには、次の手順を実行します。
- My Esri から、デプロイするソフトウェア バージョンの ArcGIS Enterprise on Kubernetes を取得します。
- デプロイメント スクリプトをダウンロードして、クライアント コンピューターに展開します。
- レジストリにイメージ リポジトリを事前に作成しておく必要がある場合、例として Amazon Elastic Container Registry (ECR) では、次のコマンドを実行して、必要なイメージ リポジトリのリストを取得します。
/setup/tools/registry-tools/image-transfer.sh -l - デプロイするソフトウェア リリースの対応するバージョン タグを特定するには、リリース ノートを参照するか、次のコマンドを実行して、利用可能なイメージ タグを表示します。
/setup/tools/registry-tools/image-transfer.sh -s - image-transfer.sh スクリプトを使用して、コンテナー イメージを Docker Hub から組織のレジストリに転送します。
詳細については、image-transfer.sh -h をご参照ください。
- デプロイメント スクリプトを実行して、ArcGIS Enterprise on Kubernetes をデプロイします。
組織のレジストリがインターネットに接続されていない場合のレジストリの準備
組織のレジストリがインターネットに接続されていない場合は、image-download.sh および image-upload.sh スクリプトを使用して、新しいデプロイメント、アップデート、アップグレード向けにレジストリを準備できます。
次の手順に従います。
- My Esri から、デプロイするソフトウェア バージョンの ArcGIS Enterprise on Kubernetes を取得します。
- ダウンロード スクリプトを実行するクライアント コンピューターとアップロード スクリプトを実行するクライアント コンピューターにデプロイメント スクリプトをダウンロードして展開します。
- レジストリにイメージ リポジトリを事前に作成しておく必要がある場合、例として Amazon Elastic Container Registry (ECR) では、次のコマンドを実行して、必要なイメージ リポジトリのリストを取得します。
/setup/tools/registry-tools/image-download.sh -l - デプロイするソフトウェア リリースの対応するバージョン タグを特定するには、リリース ノートを参照するか、次のコマンドを実行して、利用可能なイメージ タグを表示します。
/setup/tools/registry-tools/image-download.sh -s - image-download.sh スクリプトを使用して、コンテナー イメージをクライアント コンピューターにダウンロードします。
詳細については、image-download.sh -h をご参照ください。
注意:
image-download.sh ツールの完了後も、イメージはコンテナーのランタイム キャッシュ内に存在します。 ツールが正常に完了した後に領域を解放するためにも、Docker キャッシュ内で不要なアイテムをクリーンナップすることをお勧めします。 これを行うには、docker system prune または docker image rm を実行します。
- 接続解除されたクライアント コンピューターにイメージを移動するための組織のプロセスに従います。
このコンピューターは、プライベート レジストリにアクセスできる必要があります。
- プライベート クライアント コンピューターでは、image-upload.sh スクリプトを使用して、コンテナー イメージを組織のコンテナー レジストリにアップロードします。
注意:
image-upload.sh ツールの完了後も、イメージはコンテナーのランタイム キャッシュ内に存在します。 ツールが正常に完了した後に領域を解放するためにも、Docker キャッシュ内で不要なアイテムをクリーンナップすることをお勧めします。 これを行うには、docker system prune または docker image rm を実行します。
- デプロイメント スクリプトを実行して、ArcGIS Enterprise on Kubernetes をデプロイします。