ポイントの内挿は、一連のポイント位置で計測された値に基づいて、新しい位置の値を推定します。
出力は、1 ~ 3 つのフィーチャ レイヤーを含むホスト フィーチャ サービスです。
例
ある GIS アナリストは、タイ全土の大気環境ポイントを含むデータセットを所有しています。 ポイントの内挿ツールを使用すると、その国全体の大気環境値を予測して、大気環境サーフェスを作成することができます。
使用上の注意
ポイントの内挿には、入力レイヤー、解析の設定、結果レイヤー、出力設定の構成が含まれています。
入力レイヤー
[入力レイヤー] グループには次のパラメーターがあります。
- [入力ポイント] は、内挿されるポイントの選択に使用されます。
- [内挿するフィールド] は、標高や温度など、内挿するフィールドの選択に使用されます。
[クリップ ポリゴン] は、推定レイヤーおよび標準誤差レイヤーのクリップに使用されるポリゴン分析範囲を指定する場合に使用されます。 そのポリゴン内の結果のみが出力に含められます。 クリップ ポリゴンが指定されている場合、結果レイヤーが分析範囲の全範囲に表示されるように、デフォルトでツールはポリゴンの範囲を使用します。
[レイヤー] ボタンを使用してレイヤーを選択するか、[入力フィーチャの描画] ボタンを使用して、入力として使用するスケッチ レイヤーを作成することができます。
内挿の設定
[内挿の設定] グループには次のパラメーターが含まれています。
- [計算の精度] は、正確な推定と計算速度の間で優先度を選択するために使用されます。 このパラメーターは、ポイントの内挿に使用される統計モデルのさまざまなオプションと構成を自動的に設定します。 次のオプションを利用できます。
- [速度] - 最小限の数のシミュレーションを使用し、最も効率の高いオプションと構成を採用して内挿モデルを最適化することで計算を高速化します。
- [バランス] - 一般的なオプションと構成を使用することで内挿モデルの速度と精度のバランスをとります。 これがデフォルトです。
- [精度] - 最大限の数のシミュレーションおよび最も複雑なオプションと構成を使用して内挿モデルを最適化することで計算の精度を上げます。
- [分類タイプ] は、結果レイヤーをコンター処理するときのクラス閾値を決定するために使用されます。 次のオプションを利用できます。
- [等面積] - 各ポリゴンの入力データ値の数が同じになるように、クラス閾値が計算されます。
- [等間隔] - 推定値の範囲が各ポリゴンで同じになるように、クラス閾値が計算されます。
- [等比間隔] - 等比級数に基づいてクラス閾値が作成されます。 このオプションにより、各クラスの範囲にはクラスごとにほぼ同じ数の値が含まれ、間隔ごとの差が一定に保たれます。 これがデフォルトです。
- [手動] - クラス閾値は、カスタム閾値を使用して定義されます。 これらの値は [クラス閾値] で指定します。
- [クラス数] は、使用されるクラス閾値の数を指定するために使用されます。 このパラメーターは、等面積、等間隔、および等比間隔の分類タイプでのみ適用されます。 デフォルトは 10 です。 値は 2 ~ 32 である必要があります。
- [クラス閾値] は、手動分類タイプのカスタム クラス閾値を指定するために使用されます。 クラス閾値ごとに、ダイアログボックスに値を入力して [追加] をクリックします。2 ~ 32 の個別値を入力する必要があります。
結果レイヤー
[結果レイヤー] グループには次のパラメーターがあります。
- [出力フィーチャ名] は、作成されマップに追加される結果レイヤーを含むフィーチャ サービスの名前を決定します。 名前は一意でなければなりません。 組織内に同じ名前のレイヤーまたはサービスがすでに存在する場合、ツールは失敗し、別の名前を指定するよう求められます。
- [オプションのレイヤー] は、オプション出力の作成に使用されます。 [オプションのレイヤー] には次のサブパラメーターがあります。
[標準誤差レイヤーの作成] は、推定値に関する標準誤差のレイヤーを計算するかどうかを指定するために使用されます。 オンの場合、PredictionErrors という名前のポリゴン レイヤーが、出力フィーチャクラスに含められます。 このレイヤーは、推定値の標準誤差を表します。 デフォルトはオフです (標準誤差レイヤーは作成されない)。
標準誤差は、推定値の精度と信頼性を定量化するために使用されます。 共通のルールでは、95 パーセントの確率で、新しい位置の実値は推定値の 2 つの標準誤差内に収まります。 たとえば、新しい場所の推定値が 50、標準誤差が 5 であるとします。これは、該当する場所の実値が 50 であることが最良の推定になりますが、最小値として 40 または最大値として 60 の可能性もあることを意味します。妥当な値の範囲 (95% 信頼区間) を計算するには、標準誤差に 2 を掛けて求められた値を推定値に足すと範囲の上限が算出され、推定値から引くと範囲の下限が算出されます。[ポイント推定位置] は、推定値と標準誤差の計算に使用するポイント位置を指定するために使用されます。 値を指定した場合、PredictedPointLayer という名前のポイント レイヤーが、出力フィーチャクラスに含められます。 このレイヤーは、新しいフィールドとして含められた推定値と標準誤差を含むポイント推定位置のコピーです。[レイヤー] ボタンを使用してレイヤーを選択するか、[入力フィーチャの描画] ボタンを使用して、入力として使用するスケッチ レイヤーを作成することができます。
ポイント位置の推定は、学校や病院の位置の大気質レベルを推定するなど、特定の位置の値が最も重要な場合に役立ちます。
- [フォルダーに保存] は、結果を保存する [マイ コンテンツ] 内のフォルダーの名前を指定します。
制限事項
このツールには次の制限が適用されます。
- 10 個以上の入力ポイントが必要です。
- ポイントの値は空間的に連続である必要があります。つまり、値は分析範囲で滑らかに一貫して変化します。 このツールは、人口のようなカウント データ、または平均所得のような近距離で大きく変化するデータには適していません。
- クリップ ポリゴンを使用すると、結果レイヤーのクラスは、[クラス数] に指定された値よりも少なくなる場合があります。 これは、クラスが完全にクリップ ポリゴンの外側にあり、結果レイヤーからクリップされると発生します。
- 推定と標準誤差出力レイヤーは、同じ分類タイプとクラス数を共有します。 ただし、手動のクラス閾値を使用すると、標準誤差レイヤーは代わりに等間隔分類を使用します。 これは、推定と標準誤差はさまざまな縮尺で計測されるためであり、これらのクラス閾値に同じ未加工の値を使用しないでください。
環境
解析環境設定は、ツールの結果に影響する追加パラメーターです。 ツールの解析環境設定には、[環境設定] パラメーター グループからアクセスできます。
このツールでは次の解析環境が適用されます。
出力
このツールには次の出力があります。
- ResultLayer - 各ポリゴンが推定値の範囲を表すポリゴン レイヤー (塗りつぶしコンターとも呼ばれる)。 これは、内挿の主な結果であり、常に作成されます。 このレイヤーには、各クラス範囲の最小値と最大値を示すフィールドが含まれます。
- PredictionError (オプション) - 各ポリゴンが推定の標準誤差値の範囲を表すポリゴン レイヤー。 このレイヤーは、[出力推定エラー] パラメーターをオンにした場合に作成されます。
- PredictedPointLayer (オプション) - 学校や病院のレイヤーなど、特定のポイント位置での推定値と標準誤差を含むポイント レイヤー。 このレイヤーは、[ポイント推定位置] パラメーターを指定した場合に作成されます。
ライセンス要件
このツールには、次のライセンスと構成が必要です。
- Creator または GIS Professional ユーザー タイプ
- 公開者もしくは管理者ロール、またはそれと同等のカスタム ロール
- ArcGIS Server Advanced
リソース
詳細については、次のリソースをご参照ください。
- ポイントの内挿の仕組み
- ArcGIS REST API でのポイントの内挿
- ArcGIS API for Python での interpolate_points
- ArcGIS Pro でのポイントの内挿