ディープ ラーニングは、ニューラル ネットワークを使用して人間の脳のプロセスを模倣した機械学習データ解析手法で、急速に発展しています。 GIS と統合することで、データの取り扱いとデータ解析の精度を改善できます。
通常、機械学習アルゴリズムには、大量のデータ解析、計算リソースの不足、アルゴリズムの効率および精度の 3 つの大きな課題があります。 ArcGIS Notebooks とディープ ラーニング アルゴリズムを統合することで、これらの課題を効果的に管理できます。
ArcGIS Notebooks のディープ ラーニング
ArcGIS Notebooks で使用できる画像データ向けのディープ ラーニング モデルは、4 つの大きなカテゴリに分類されます。
- オブジェクトの分類 - フィーチャのクラスを決定するために使用されます。 たとえば、自然災害後に建物が被災しているかどうかの判断に使用できます。
- オブジェクトの検出 - 境界四角形内で画像中のオブジェクトを検出するローカライズ処理。 たとえば、画像中のスイミング プールを検出することができます。
- ピクセルの分類 - 画像中のピクセルにクラスを割り当てるために使用されます。 たとえば、ピクセルの分類を土地被覆分類に使用することができます。
- インスタンスの分類 - オブジェクト検出とピクセル分類の両方を統合します。 インスタンスの分類を使用して、オブジェクトを検出し、さらにそのオブジェクトを分類することができます。 たとえば、ピクセルの分類を損害の検出に使用して、損害を特定するだけでなく、さらに損害の深刻度を分類することができます。
注意:
ArcGIS Notebooks は、表形式、点群などの構造化されたデータセットを主に扱うモデルもサポートしています。
ディープ ラーニング ワークフロー
ArcGIS Notebook Server を使用して、次のディープ ラーニング ワークフローを実行できます。
- エンドツーエンドのディープ ラーニング
- 事前トレーニング済みモデルを使用した推論
- 事前トレーニング済みモデルの微調整
エンドツーエンドのディープ ラーニング
エンドツーエンドのディープ ラーニングは、機械学習における革新的な手法で、単一のニューラル ネットワークが手動のフィーチャ抽出を必要とせず、生の入力データから直接複雑なタスクを実行するようにトレーニングされます。 この処理の手順は次のとおりです。
- データの収集 - タスクに関連する大規模で多様なデータセットを収集します。
- データの前処理 - トレーニング用にデータをクリーニングして準備します。
- モデルの設計 - ニューラル ネットワークのアーキテクチャを選択します。
- トレーニング - モデルをデータセットでトレーニングし、パラメーターを調整して誤差を最小化します。
- 評価 - 別々のデータセットでモデルをテストし、モデルのパフォーマンスを評価します。
- デプロイメント - トレーニング済みのモデルを実際のアプリケーションに実装します。
ワークフローの例については、「例: エンドツーエンドのディープ ラーニング ワークフロー」をご参照ください。
事前トレーニング済みモデル
事前トレーニング済みのディープ ラーニング モデルは、大規模なトレーニング データや計算リソースの必要性をなくすことで、地理空間ワークフローを効率化できます。 ArcGIS では、さまざまなタスクに対応した複数の事前トレーニング済みディープ ラーニング モデルを提供しています。 これらのモデルは ArcGIS Living Atlas からダウンロードし、ポータル コンテンツとしてアップロードすることで、ArcGIS Notebooks で使用できます。
ワークフローの例については、「例: 事前トレーニング済みモデルを使用した推論」をご参照ください。