ArcGIS Enterprise on Kubernetes を Microsoft Azure にデプロイする場合、ホスト フィーチャ データと、カスタマイズや構成設定などの管理面の情報をサポートするようにクラウド リレーショナル ストアを構成できます。 詳細については、「クラウド リレーショナル ストアの使用に関する注意事項」をご参照ください。
Azure のリレーショナル ストアの選択および管理に関する注意事項について、以下に説明します。
互換性のあるオプション
ArcGIS Enterprise on Kubernetes は、Azure で使用できる 1 つのリレーショナル ストア オプションと互換性があります。
このオプションは、高可用性、信頼性、読み取り専用レプリカをスケーリングして高いスループットを実現する機能を提供します。
クラスター オプション
Azure Database for PostgreSQL フレキシブル サーバー インスタンスを作成する際は、サーバー オプションを選択します。 このオプションは、読み取り専用レプリカのスケールアウトをサポートするノードベースのクラスタリングを提供します。 ArcGIS Enterprise では、Elastic Cluster オプションはサポートされていません。
計算オプション
Azure Database for PostgreSQL フレキシブル サーバー インスタンスを作成する際は、組織のニーズに合った計算および価格オプションを検討してください。
- バースト型 - 高可用性をサポートしないため、運用環境での使用には適していません。
- 汎用 - 計算リソースとメモリー リソースをバランスよく配分します。
- メモリー最適化 - メモリー対 CPU の比率を高めます。
格納オプション
インスタンス ストレージの場合、最小ディスク サイズは 32 GiB です。 初期サイズを選択する際は、ホスト フィーチャ レイヤーやその他の管理されたリレーショナル データに必要な容量を検討してください。
インスタンス タイプに基づいてさまざまなパフォーマンス層を選択でき、層を一時的に増やして、データベース インスタンスに対する予期しない負荷に対応することができます。 詳細については、「マネージド ディスクのパフォーマンス層」をご参照ください。
ディスク容量が低下したり不足したりしないようにするために、ストレージの自動拡張を有効にすることをおすすめします。
高可用性
Azure Database for PostgreSQL フレキシブル サーバーは、次の可用性の高い構成をサポートできます。
- 無効 - インスタンスにスタンバイ サーバーはプロビジョニングされません。 このオプションは、運用環境にはおすすめしません。
- 同じゾーン - このオプションは、複数の可用性ゾーンを利用していない組織に適しており、同じ可用性ゾーン内にスタンバイ サーバーをプロビジョニングします。
- ゾーン冗長 - このオプションは、最も高い可用性を必要とし、複数の可用性ゾーンにまたがるクラスターにデプロイされている組織に適しており、同じリージョン内の別の可用性ゾーン内にスタンバイ サーバーをプロビジョニングします。 このオプションは、運用環境におすすめします。
認証
ArcGIS Enterprise で、組織向けに作成されたユーザー、スキーマ、データベースを管理するには、データベース管理者の認証情報が必要です。 互換性を確保するには、次のいずれかの認証方法が必要です。
- PostgreSQL 認証のみ
- PostgreSQL および Microsoft Entra 認証
Microsoft Entra のみのオプションは、このリリースではサポートされていません。
データベースの接続性
ArcGIS Enterprise はデータベース インスタンスへのパブリック アクセスを必要としません。 パブリック アクセスを無効にすることをおすすめします。 パブリック インターネットを経由せずに ArcGIS Enterprise が Azure データベースに接続できるようにするには、次のいずれかのオプションを選択します:
- データベースを Microsoft Azure Kubernetes Service (AKS) クラスターと同じ仮想ネットワーク内に配置します。
- データベースを、AKS クラスターが使用する仮想ネットワークにピアリングされた仮想ネットワーク内に配置します。
同じ仮想ネットワークまたはピアリングされた仮想ネットワークにデータベース インスタンスをプロビジョニングできない場合は、ArcGIS Enterprise のパブリック IP アドレスおよびその他の許可されたクライアントへのデータベース アクセスを制限するファイアウォール ルールを実装することをおすすめします。 管理者は、クラウド セキュリティーの専門家と相談し、ベスト プラクティスに従ってネットワーク アーキテクチャーおよび制御を定義する必要があります。
プロビジョニング後の検討事項
Azure Database for PostgreSQL フレキシブル サーバー インスタンスをプロビジョニングした後、ArcGIS Enterprise との互換性を確保するには追加の手順が必要です。
使用できるエクステンション
ArcGIS Enterprise では、POSTGIS エクステンションを許可する必要があります。 エクステンションを許可する手順については、「使用できるエクステンション」をご参照ください。
バックアップ
ArcGIS Enterprise には、統合されたバックアップおよび復元機能が実装されており、組織内の他のシステム管理データ ストアとの一貫性を維持します。 このため、Azure バックアップを無効化してストレージ コストを削減できます。 管理者はこれらのバックアップを有効のままにしておくこともできますが、ArcGIS Enterprise 以外でデータベース インスタンスを復元すると、データ損失やアイテムの破損が発生する可能性があります。