ArcGIS Enterprise on Kubernetes をデプロイするには、Kubernetes のマニフェストとともに bash スクリプトを実行します。 デプロイメントパッケージは、My Esri からダウンロードでき、*.tar.gz ファイルとして配布されます。 デプロイメントスクリプトを実行する前に、開始手順を確認してください。
対話モードでのデプロイメントスクリプトの実行
構成パラメーター ファイルを指定せずに ArcGIS Enterprise on Kubernetes デプロイメントスクリプトを実行すると、スクリプトが対話モードで開きます。 スクリプトは、各パラメーターの入力を求め、即座に各値の妥当性をチェックします。 これにより、デプロイメントのための各構成パラメーターをすばやく検証できます。
- Kubernetes クライアント コンピューターで、管理者として端末を開きます。
- デプロイメントスクリプトが保存されているディレクトリに移動します。
- 端末で、次のコマンド形式を使用してデプロイメントスクリプトを実行します。
./deploy.sh
- スクリプトから、次のパラメーターを 1 つずつ入力するよう求められます。 誤った値を入力すると、ただちにエラーが返され、有効なパラメーターを入力するよう求められます。 以下は、ユーザー入力の概要です。
注意:
このスクリプトは、ルート ユーザーとして実行する必要はありません。
- [デプロイメントプラットフォーム] - ArcGIS Enterprise on Kubernetes は、ingress を使用して、着信トラフィックをクラスターのサービスにルーティングします。 Amazon Web Services EKS や Microsoft Azure AKS など、クラウド プロバイダーが管理する Kubernetes サービスにデプロイしている場合は、クラウド プロバイダーによるロード バランサー サービスを使用して ingress コントローラーを外部に公開できます。 この場合、ArcGIS Enterprise on Kubernetes は、デプロイメントプロセス中にロード バランサーをプロビジョニングします。
- [ロード バランサー] - デプロイしている間、ArcGIS Enterprise on Kubernetes は、Azure Load Balancer (外部向けおよび内部向け)、AWS Network Load Balancer (NLB - 外部向け)、および AWS Classic Load Balancer オプションにより、選択したクラウド ロード バランサーをプロビジョニングできます。 各オプションで、ロード バランサーの IP を指定するよう求められます。 このリリースでは、Azure ロード バランサーのみがこのオプションに対応しています。AWS EKS ではロードバランサーの IP オプションを使用できません。 OpenShift を使用している場合は、ルートを使用できます。これは通常、HAProxy または Big-IP ベースのロード バランサーを利用します。
- [名前空間] - ArcGIS Enterprise on Kubernetes がデプロイされる Kubernetes クラスターの名前空間。
- [レジストリのホスト] - コンテナー レジストリのホスト (たとえば docker.io) の完全修飾ドメイン名 (FQDN)。
- [画像パス] - コンテナー イメージ (たとえば esridocker) を引き出すために使用されるイメージ リポジトリ。
- [レジストリのユーザー名] - レジストリから引き出す権限を格納している、指定したコンテナー レジストリのアカウントのユーザー名。
- [レジストリのパスワード] - 指定したコンテナー レジストリ アカウントのパスワード。
- [完全修飾ドメイン名] - ArcGIS Enterprise on Kubernetes にアクセスするために必要な FQDN。 これは、ロード バランサー、リバース プロキシ、エッジ ルーター、またはトラフィックを ingress コントローラーにルーティングするように構成されたその他の Web フロントエンド ポイントを指します。
- [コンテキスト パス] - ArcGIS Enterprise on Kubernetes の URL で使用されるコンテキスト パス (たとえば https://<FQDN>/<context path>)。
- [ノード ポート] - ingress コントローラーは、「LoadBalancer」または「NodePort」のサービス タイプに外部トラフィックを公開します。 ポートは、30000 ~ 32767 の範囲で指定してください。 ポートを指定しないと、Kubernetes が、この範囲内で使用可能なポートを自動的に割り当てます。
- [TLS 証明書] - FQDN と Subject Alternative Names (サブジェクトの別名) が含まれている TLS 証明書 (自己署名または第三者認証機関 CA が署名) が必要です。 これは、ingress コントローラーのデフォルトの TLS 証明書になります。
有効なパラメーターをすべて入力すると、現在の作業ディレクトリにプロパティ ファイルが保存されます。 このプロパティ ファイルを使用して、これ以降のデプロイメントの自動化や、ArcGIS Enterprise on Kubernetes のアンデプロイを行います。
デプロイメントの最終ステップは、ArcGIS Enterprise 組織の作成です。
ヒント:
デプロイメント スクリプトは、kubectl コマンドを使用して、有効な名前空間などの必要条件を確認します。 ネットワークやファイアウォールの問題で kubectl コマンドがクラスターと通信できない場合、デプロイメントスクリプトが無反応になっているように見える可能性があります。 この場合は、./deploy.sh コマンドを終了して、kubectl を端末から直接実行してクラスターとの通信を開始します。
サイレント モードでのデプロイメントスクリプトの実行
対話モードでデプロイメントスクリプトを実行する代わりに、ArcGIS Enterprise on Kubernetes をサイレントにデプロイできます。 デプロイメントスクリプトは deploy.properties ファイルにバンドルされています。このファイルは、ArcGIS Enterprise on Kubernetes デプロイメントへの一意の入力を求める一連のパラメーターが格納されています。
- Kubernetes クライアント コンピューターで、管理者として端末を開きます。
- デプロイメントスクリプトと deploy.properties ファイルが保存されているディレクトリに移動します。
- deploy.properties ファイルを開きます。
- ユーザー入力の概要についてファイル内の説明コメントを参照して、ファイルにリストされている各パラメーターの値を指定します。 ファイルは、次のセクションに分かれています。
- デプロイメント プラットフォーム
- 名前空間
- コンテナー レジストリ
- 完全修飾ドメイン名 (FQDN)
- TLS 証明書
- ファイルを保存します。 必要に応じてファイル名を変更できます。
- 端末で、次のコマンド形式を使用してデプロイメントスクリプトを実行します。
./deploy.sh -f <user_properties>
<user properties> のコンテンツが deploy.properties ファイルから取得されます。
ArcGIS Enterprise on Kubernetes をデプロイする前に、デプロイメントスクリプトは、システムが最小システム要件を満たしているかどうかと、deploy.properties ファイルにリストされている各パラメーターに有効な入力を指定しているかどうかを検証します。
デプロイメントの最終ステップは、ArcGIS Enterprise 組織の作成です。