Image Server で利用可
窪地のない DEM (デジタル標高モデル) は、流向プロセスに必要な入力です。 窪地が存在すると、流向ラスターにエラーが生じる可能性があります。 場合によっては、データ内に正当な窪地が存在することもあります。 その領域の形態を十分に理解し、地表面のどのフィーチャが本当の窪地なのか、どれがデータ内の単なるエラーなのかを見分けることが重要です。 水文解析ツールセットに含まれるツールは、窪地のない標高サーフェスを準備する際に役立ちます。
窪地の特定
窪地は、窪地の抽出 ツールを使用して見つけることができます。 このツールには、流向ラスターの作成 ツールで作成した方向ラスターが必要です。 ツールの結果として、データ内の既存の窪地を特定するラスターが作成されます。 結果に応じて、窪地を平滑化するか、出力データを使用して平滑化の制限値を決定することができます。 窪地は、[サーフェスの平滑化 (Fill)] ツールを使用して埋めることができます。 [窪地の抽出 (Sink)] ツールからの出力データを使用して平滑化の制限値を決定する方法については、このトピック内の「窪地の深さの検出」 (後述) をご参照ください。
窪地の平滑化
サーフェスの平滑化 ツールは、前述の水文解析ツールをはじめとするさまざまなツールを使用して、窪地のない DEM を作成します。 このツールには、入力サーフェス、平滑化の制限、出力ラスターが必要です。 窪地を平滑化すると、その窪地は流出点 (分水界の境界に沿った最小標高) で平滑化されます。
窪地のない DEM を作成する際の窪地の特定と削除は、反復的なプロセスです。 窪地を平滑化すると、平滑化された領域の境界に新しい窪地が生まれ、それを平滑化する必要が生じることがあります。 大きな DEM または多くの窪地を含む DEM の場合、この処理には数分から数時間かかることがあります。
窪地の深さの検出
窪地または窪地のグループの深さを知ることは役に立ちます。 この情報があれば、[サーフェスの平滑化 (Fill)] ツールの適切な Z 制限値の決定、データに存在するエラーの種類の理解、および窪地が正当な地表面の形状であるかどうかの判断が可能になります。 次の手順は、窪地の深さを検出する一般的なプロセスの概要を示しています。
- [窪地の抽出 (Sink)] ツールを実行して窪地の深さの値を持つラスターを作成し、ラスター内の窪地を見つけます。
- 集水域ラスターの作成 ツールで、流出点の入力データとして標高ラスターの流向、および [窪地の抽出 (Sink)] ツールの出力データを使用して、各窪地に影響するエリアのラスターを作成します。
- [最小値] オプションを指定して [ゾーン統計] ツールを使用し、各窪地の集水域での最小標高値を持つラスターを作成します。
[集水域ラスターの作成 (Watershed)] ツールの出力を、[ゾーン統計 (Zonal Statistics)] のゾーン入力として使用します。
- [ゾーン フィル] ツールで、集水域ごとの境界ごとに最も低い標高値を持つラスターを作成します (これは、周縁の高さにまで平滑化されると、流れが流域から流出する標高に相当します)。
- [Minus] ツールを使用して、最大値から最小値を減算して、深さを再び調べます。