ノートブックを作成すると、使用されるリソースと Python ライブラリはノートブック ランタイムを通じて提供されます。 このランタイムは、管理者によってノートブック デプロイメントに読み込まれます。使用できるランタイムには 2 つの種類があります。Standard ランタイムには ArcGIS API for Python と数百個もの Python ライブラリが含まれており、Advanced ランタイムには Standard と同じライブラリに加え、ArcPy ライブラリと関連ライブラリのいくつかが含まれます。 使用できるランタイムは、ライセンスと権限によって異なります。
注意:
Advanced ランタイムを使用するノートブックでは、ArcGIS API for Python と Standard ランタイムのその他すべてのライブラリを実行できます。
ランタイムには、対応する ArcGIS Notebooks Services のバージョンに基づいてバージョン番号が割り当てられます。
ArcGIS Notebooks Services バージョン | マニフェストのバージョン | リタイア日 |
---|---|---|
11.4 |
たとえば、11.4 の Standard ランタイムの名称は ArcGIS Notebooks Services Standard 11.0 です。
ノートブックを作成するには、管理者から適切な権限を持つメンバー ロールを受ける必要があります。 Standard ランタイムを使用してノートブックを作成できる権限が 1 つ、そして Advanced ランタイムを使用してノートブックを作成できる権限がもう 1 つあります。
ノートブック ランタイムの選択
新しいノートブックを作成する場合、そのノートブックで使用するランタイムを選択します。 選択するリストはユーザーの権限に基づいています。 高度なノートブック権限が付与されている場合は、Standard または Advanced ランタイムを選択できます。 ノートブックの作成後にそのランタイムを変更することもできます。以下に手順を説明します。
注意:
組織で両方のランタイムを使用でき、サイト管理者が Advanced ランタイムを使用してノートブックを作成する権限をユーザーに付与した場合、作成されるすべてのノートブックはデフォルトで Advanced ランタイムを使用します。
適切な権限が付与されている場合、いずれかのランタイムを使用してさまざまな状況でノートブックを作成することができます。 たとえば、ノートブックを作成しており、それを組織の他のノートブック作成者と共有する予定ですが、他のユーザーは高度なノートブック権限を持たない場合、Standard ランタイムを使用してノートブックを作成します。
これまでに使用したことのないランタイムを使用して初めてノートブックを作成する場合、新しいノートブック デプロイメントが起動されます。 このノートブック デプロイメントには Standard ランタイムが含まれ、最初のノートブック デプロイメント (Advanced ランタイムを含む) からは切り離されます。 サイト管理者がこの点を認識し、必要に応じて使用可能なシステム リソースを調整できるようにする必要があります。
ノートブック ランタイムの変更
新しいバージョンで最新の利用可能な Python ライブラリを活用できるようになったタイミングでノートブック ランタイムを更新することをおすすめします。 既存のノートブックに適用されるランタイムを変更するには、次の手順に従います。 このワークフローは、いずれかのノートブック ランタイムを使用してノートブックを作成できるメンバーだけが実行できます。
注意:
ノートブックのランタイムを変更する前に、利用可能なライブラリとノートブックで使用されている対応ランタイム バージョンを確認してください。 一部のコードは、ライブラリのバージョンが異なると動作が異なることがあります。 一部のノートブック ランタイムでしか使えないライブラリもあります。 たとえば、ArcPy は Advanced ノートブック ランタイムでのみ使用可能なため、Standard ノートブック ランタイムに切り替えて ArcPy を使用するノートブックのセルを実行するとエラーが表示されます。
- ノートブックのアイテム ページを開き、[設定] タブをクリックします。
タブの [ノートブック] セクションの [ノートブックの設定] で [ノートブック ランタイム] オプションを使用すると、ノートブックが使用するランタイムを指定できます。
- ドロップダウン リストをクリックして、ランタイムを選択します。
注意:
Advanced ノートブック権限を持たない場合は、ドロップダウン リストに Standard ランタイムのみが表示されます。
- [保存] をクリックして確認します。
セッション中のモジュールのインストール
ノートブック作成者は、conda パッケージ管理システムを使用することで、ノートブック セッション中に使用可能なランタイムのどちらにも含まれていない Python モジュールまたはモジュールのバージョンを作成できます。 conda ではモジュールの管理に ArcGIS Notebooks が使用されるため、conda の使用をお勧めします。
この方法では、ノートブック セッションの間に目的のモジュールをインストールします。 ノートブックが閉じられるか、ユーザーに属するノートブック デプロイメントが終了されると、そのモジュールは使用できなくなります。 この方法でモジュールをインストールするには、conda チャンネルへのインターネット接続が必要です。
注意:
conda は 2 つのノートブック ランタイムに含まれています。 そのため、インストールする必要はありません。
たとえば、セッション中に scrapy パッケージをインストールするには、使用しているパッケージ管理システムに応じて、次のどちらかのコマンドでノートブック セルを実行します。
conda パッケージ管理システムの使用
!conda install --yes scrapy
作業を行っているノートブック ランタイムでバージョンの異なる Python モジュールを使用するには、バージョン番号をコマンドで指定します。
新しいパッケージを使用できるようにするには、conda コマンドの実行後にカーネルを再起動する必要があります。
たとえば、バージョン 1.5 の特定のパッケージが 2 つのノートブック ランタイムで使用できる場合に、バージョン 1.6 で導入されたツールを使用する必要があるとします。 ノートブック セッションでバージョン 1.6 のパッケージを使用できるようにするには、使用しているパッケージ管理システムに応じて、次のいずれかのコマンドでノートブック セルを実行します。
conda パッケージ管理システムの使用
!conda install --yes <package name>==1.6