近接範囲内での集計ツールでは、直線距離または移動モードを使用して、入力レイヤー内のフィーチャから指定の距離内にあるフィーチャを検索できます。 統計は、近接フィーチャに対して計算されます。
出力はホスト フィーチャ レイヤーと、オプションのサマリー テーブルによるグループ化です。
例
ニュージーランドのマールバラ地方の農業関係者は、外来植物ナセラ タサクの種が靴や衣服に付着し、他のエリアに拡大している有料キャンプ場の近辺のエリアを特定する任務を負っています。 この関係者は、近接範囲内での集計を使用して、有料キャンプ場から 1.5 キロメートル以内にナセラ タサクが存在する合計面積を集計します。
詳細なワークフローについては、チュートリアル「空間的問題の解決」をお試しください。
使用上の注意
近接範囲内での集計には、集計するフィーチャ、近接境界エリア、統計の計算、結果レイヤーの構成が含まれています。
集計対象フィーチャ
[集計対象フィーチャ] グループには、[入力フィーチャ] パラメーターが含まれます。これは、集計するポイント、ライン、またはポリゴン レイヤーの選択に使用されます。
レイヤー名の下にフィーチャの数が表示されます。 この数には、フィルターを使用して削除されたフィーチャを除く、レイヤー内のすべてのフィーチャが含まれます。 [処理範囲] などの環境設定は、フィーチャの数に反映されません。
近接境界エリア
[近接境界エリア] グループには次のパラメーターがあります。
[近接レイヤー] は、集計される入力フィーチャ周辺のポイント、ライン、またはポリゴン レイヤーの選択に使用されます。 [レイヤー] ボタンを使用してレイヤーを選択するか、[入力フィーチャの描画] ボタンを使用して、入力として使用するスケッチ レイヤーを作成することができます。
レイヤー名の下にフィーチャの数が表示されます。 この数には、フィルターを使用して削除されたフィーチャを除く、レイヤー内のすべてのフィーチャが含まれます。 [処理範囲] などの環境設定は、フィーチャの数に反映されません。[計測タイプ] は、近接レイヤーのフィーチャ周辺に境界エリアを作成する計測を選択する場合に使用します。 方法は、[直線距離] または移動モードを指定できます。 [直線距離] は、[近接レイヤー] がラインまたはポリゴンの場合にのみ利用可能な選択肢です。
移動モードの詳細- [計測値] は、境界エリアの作成に使用する距離または時間を決定します。 さまざまな距離または時間に基づいて出力を作成するために、複数の計測値を追加できます。
- [単位] は、境界エリアを作成するための距離単位 (マイル、キロメートル、メートル、フィート、ヤード) または時間単位 (分、秒、時間) の選択に使用されます。
[境界エリアとして出力を返す] は、境界エリアの出力レイヤーを作成するかどうかを決定します。 オンにした場合、出力は、境界エリアと集計された統計を表すポリゴン レイヤーになります。 オフにした場合、結果レイヤーの内容は、集計データが含まれる点を除いて、入力レイヤーと同じです。
統計の計算
[統計の計算] グループには次のパラメーターがあります。
- [フィーチャの集計されたジオメトリを含める] は、入力フィーチャのジオメトリ (全長または総面積) を集計するかどうかを決定します。 このパラメーターは、[入力フィーチャ] でラインまたはポリゴン フィールドが選択されている場合に使用できます。
- [集計された長さの単位] および [集計された面積の単位] は、集計されたジオメトリの計算に使用する単位を決定します。 長さの単位には、マイル、ヤード、フィート、キロメートル、メートルがあります。 面積の単位には、平方マイル、平方ヤード、平方フィート、ヘクタール、平方キロメートル、平方メートルがあります。 このパラメーターは、[フィーチャの集計されたジオメトリを含める] が有効な場合に使用できます。
[フィールド統計] は、集計する入力レイヤーの数値フィールドを決定します。 サポートされる統計サマリーには、合計、最小、最大、平均、標準偏差が含まれます。 統計は、各境界で個別に計算されます。
統計サマリーの詳細- [フィールドでグループ化] を使用して、カテゴリ フィールドを選択し、統計計算用のグループを作成します。 たとえば、国立公園付近の外来植物種を集計する場合は、[フィールドでグループ化] パラメーターを使用して種ごとの統計を計算できます。 統計をフィールド別にグループ化すると、統計は、エリア全体および各グループの両方について計算されます。
- [最少頻値と最頻値を含める] は、各境界エリア内で最大数と最小数を持つグループを返します。 このパラメーターは、[フィールドでグループ化] でフィールドが選択された場合に使用できます。
- [集計されたフィーチャの割合を含める] は、少数グループと多数グループ内のフィーチャの割合を境界ごとに計算し出力に含めるかどうかを指定します。 このパラメーターは、[フィールドでグループ化] でフィールドが選択された場合に使用できます。
結果レイヤー
[結果レイヤー] グループには次のパラメーターがあります。
- [出力名] は、作成されマップに追加されるレイヤーの名前を決定します。 名前は、一意でなければなりません。 組織内に同じ名前のレイヤーがすでに存在する場合、ツールは失敗し、別の名前を指定するよう求められます。
- [フォルダーに保存] は、結果を保存する [マイ コンテンツ] 内のフォルダーの名前を指定します。
制限事項
このツールには次の制限が適用されます。
- 移動モードは、ポイント フィーチャが [近接レイヤー] の入力として使用されている場合にのみ有効化されます。
- ラインとポリゴンの集計には比率が使用されるため、ラインまたはポリゴンを集計する際には、相対データ (平均所得など) ではなく、絶対データ (人口など) の集計が最適です。
- 移動モードを使用している際にツールの実行に 240 分以上かかると、エラーが発生します。 このエラーが発生した場合は、入力フィーチャの数を減らして解析を再実行するか、ルート検索ジオプロセシング サービスの使用タイムアウトを増やしてみてください。
環境
解析環境設定は、ツールの結果に影響する追加パラメーターです。 ツールの解析環境設定には、[環境設定] パラメーター グループからアクセスできます。
このツールでは次の解析環境が適用されます。
クレジット
お使いの ArcGIS Enterprise ポータルが ArcGIS Online routing services を使用するように構成され、[計測タイプ] で移動モードが選択されている場合、クレジットが消費されます。
詳細については、「空間解析のクレジットの概要」をご参照ください。
出力
このツールには次の出力があります。
集計されたレイヤーを示す 1 つのフィーチャ レイヤー。 フィーチャのタイプ (ポイント、ライン、またはポリゴン) は、[近接レイヤー] の入力によって決まります。 [境界エリアとして出力を返す] が有効になっている場合、レイヤーは境界エリアの形状のポリゴン フィーチャになります。
ツールの構成に応じて、ポリゴン レイヤーには、次の情報を含むフィールドが含まれます。- フィーチャ数
- 統計サマリー フィールド (たとえば Sum<field_name>)。 このフィールドは、[フィールド統計] にフィールドが入力されている場合に含まれます。
- <フィールド名別グループ>。 このフィールドは、[フィールドでグループ化] にフィールドが入力されている場合に含まれます。
- 最小頻値。 このフィールドは、[最少頻値と最頻値を含める] が有効な場合に含まれます。
- 最頻値。 このフィールドは、[最少頻値と最頻値を含める] が有効な場合に含まれます。
- 最小頻値のパーセント。 このフィールドは、[集約されたポイントの割合を含める] が有効な場合に含まれます。
- 最頻値のパーセント。 このフィールドは、[集約されたポイントの割合を含める] が有効な場合に含まれます。
- エリア
- 結合 ID
- グリッド ID。
- [フィールドでグループ化] の値ごとにそれぞれのフィーチャおよび統計をリストした 1 つのテーブル レイヤー。 テーブル出力は、[フィールドでグループ化] パラメーターにフィールドが指定された場合にのみ作成されます。 ツールの構成に応じて、テーブル レイヤーには、次の情報を含むフィールドが含まれます。
- 値別のグループ
- 統計サマリー
- ポイント数
- ポイント数のパーセント
- サマリー別のグループ
ライセンス要件
このツールには、次のライセンスと構成が必要です。
- Creator または GIS Professional ユーザー タイプ
- 公開者もしくは管理者ロール、またはそれと同等のカスタム ロール
移動モードを使用するには、次のライセンスおよびルート検索サービスが必要です。
- ネットワーク解析権限
- 到達圏 (非同期)
- ルート検索ユーティリティ サービス
リソース
詳細については、次のリソースをご参照ください。